プレアビヒア寺院地域をめぐる紛争は、東南アジアの隣国であるタイとカンボジアの関係において依然として火種となっている。
プレアヴィヒア寺院をめぐるカンボジアとタイ間の紛争は19世紀にまで遡る。(出典:ゲッティイメージズ) |
12月16日、タイのスティン・クルンサン国防相は、タイ東北部シーサケート県のタイ貢献党議員7人が、タイ国境のプレアビヒア寺院訪問についてカンボジア政府との交渉を求める請願書をスレッタ・タヴィシン首相に提出したと述べた。
この提案は、クルンサン氏がシーサケート県カンタララック郡のパ・モー・エ・デーンを訪問した際になされた。同地では、プレア・ヴィヒア寺院の周囲の柵が2008年以来タイ側で施錠されている。同寺院は現在、国境紛争と新型コロナウイルス感染症のパンデミックのため、すべての訪問者に対して閉鎖されている。これまでカンボジアは、ビザ免除日にタイ人が寺院に入ることを許可していた。
スティン氏は、政府の政策に沿って、観光業の発展が国境での経済活動の活性化につながると述べ、タクシン・シナワット元首相とフン・セン元カンボジア首相の良好な関係が、この問題に関する交渉への道を開くのに役立つだろうと期待を示した。
タイのスラナリー特別部隊司令官、ナット・スリ・イン少将は、国境開放は国家安全保障に影響せず、この件についてはプノンペンから決定を下す必要があると述べた。
これに先立ち、11月24日、シーサケット省政府は国境の一部を一時的に開放することについて国家安全保障会議事務局と会談していた。結果は後日政府に提出される予定だ。
プレアビヒア寺院地域をめぐる紛争は19世紀後半から続いている。カンボジアが2008年にこの寺院を国連教育科学文化機関(ユネスコ)の世界遺産に登録してからは、この10世紀の寺院に関連する多くの紛争がさらに激化した。
当時、この申請はタイ政府から支持されていなかったため、カナダのケベック州で行われたユネスコ会議での両政府間の論争から国境衝突まで、緊張が再び高まった。
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