フランスのエマニュエル・マクロン大統領は1月30日、NATO軍事同盟の最新加盟国となる予定のEU加盟国スウェーデンを公式訪問中、米国が今後数カ月以内にウクライナへの支援を撤回したとしても、欧州諸国はウクライナを支援するために大胆かつ創造的な決断を下さなければならないと述べた。
マクロン大統領はストックホルムのすぐ北、ソルナのカールベルク陸軍士官学校で演説し、「ロシアの勝利の代償は我々全員にとって高すぎる。ロシアが勝てば、我々の大陸にはもはや安全保障の枠組みも構造もなくなる」と述べた。
フランス大統領は、いつもの繰り返しで、欧州は自らの安全確保に主導権を握るべきだとも付け加えた。マクロン氏は「たとえ非常に良い同盟国であっても、大国は海の向こう側に住んでいるので、欧州は大国に安全保障を託すべきではない」と述べた。
マクロン氏の発言は、NATOに懐疑的なドナルド・トランプ前米大統領が共和党の指名獲得に向けて進んでいることから、欧州諸国がトランプ氏のホワイトハウス復帰の可能性が高まっていると懸念する中で出されたものだ。
大西洋の反対側では、共和党議員がキエフへの資金援助の継続に消極的であるため、ウクライナへのさらなる軍事援助も米国議会で行き詰まっている。ウクライナはこれまで2年近く、ロシアのウラジーミル・プーチン大統領の強力な軍隊と対峙してきた。
2022年6月11日、ストックホルム群島で行われたNATO軍事演習「バルトップス22」に参加するスウェーデン軍兵士たち。写真:ゲッティイメージズ
「これは欧州にとって決定的で試練の時だ。我々は必要なこと、米国の決定が何であれ、ウクライナを守り支援するために行動する用意ができていなければならない」とマクロン氏は述べた。
フランスの首相はまた、12月初めにEUに対し欧州の軍事購入資金を調達する新たな方法を見つけるよう求めたエストニアのカヤ・カラス首相を称賛した。
EU首脳は2月1日にブリュッセルで欧州理事会会合を開き、ウクライナへの支援について協議する予定。また両首脳は首脳会談でウクライナに対する500億ユーロ(540億ドル)の支援策についても合意したいとしている。ハンガリーのビクトル・オルバーン首相がキエフへの資金援助を阻止するために今後も拒否権を行使するかどうかは不明だ。
マクロン氏は現在、エネルギーから防衛に至るまでのさまざまな分野での協力関係について協議するため、スウェーデンを2日間訪問している。フランスのセバスチャン・ルコルニュ軍事大臣とスウェーデンのポール・ジョンソン軍事大臣は、防空および航空監視システムに関する意向書に署名する予定である。
フランスとスウェーデンは、独自の戦闘機を生産できる多様な防衛産業を持つ数少ないヨーロッパの国の一つである。フランスのラファールはダッソー・アビエーション社が製造し、スウェーデンのJAS 39グリペンはサーブ社が製造している。
さらに、マクロン氏によれば、フランス軍とベルギー軍の協力(CaMoとして知られる)は、フランスとスウェーデンの間でも再現できるモデルだという。
フランス大統領は当初、昨年10月末にスウェーデンを訪問する予定だったが、昨年10月7日のイスラエル南部でのハマスの攻撃に始まり、ガザ地区におけるイスラエルとパレスチナのイスラム主義組織ハマスとの間の暴力の波が激化したため、訪問は延期された。
国内では、マクロン政権は怒れる農民たちの波に直面している。彼らは首都パリへの主要ルートを封鎖し、賃金の上昇、規制の緩和、コストの削減を要求している。
ミン・ドゥック(Politico EU、RFIによる)
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