東芝エレクトロニクスの石川県加賀工場は1月10日に一部ラインの生産を再開する。(出典:日経) |
家電大手の東芝や技術部品大手の村田製作所など、元日の地震で被災したメーカーは徐々に生産を回復しつつあるが、サプライチェーンへの影響はしばらく続くとみられる。
家電大手の東芝は5日、石川県能美市の加賀東芝エレクトロニクス工場で10日に生産を一部再開すると発表した。電気自動車や電車などに使われる半導体の製造を専門とする東芝の子会社です。
東芝の島田太郎社長は「震災後の操業正常化に向けた対策は奏功しており、一部の生産ラインで生産を再開する」と述べた。
島田氏は、生産中断による損失の規模や納期遅延の程度についてはまだ把握していないと述べた。同グループは生産が完全に通常に戻る時期をまだ決めていない。
村田製作所は富山、福井両県の3工場が1月11日に操業を再開する。村田製作所の二つの工場(震源地に近い石川県七尾市と穴水町)では、被害状況の調査が続く間、生産が停止されたままとなっている。
日本の半導体メーカー、サンケン電気は1月5日、石川県志賀町にある工場の一つが停電したと発表した。電力会社とサービスの復旧に向けて交渉中だが、被害状況の調査には時間がかかる可能性がある。
日本の自動車業界は正月休み明けの1月8日に業務を再開する予定だ。しかし、今回の震災で被災した企業の一つであるトヨタ自動車は、早ければ1月13日にも操業を再開できるかどうか判断する予定だ。
1月5日、斎藤健経済産業大臣は、地震の被災地に工場や施設を持つ企業200社のうち約8割が生産を再開しているか、近く再開する予定であると述べた。その中には機械、半導体装置、繊維製品を製造する工場などがある。しかし、日本政府は被災地への電力供給の復旧について具体的な時期を示すことができていない。
日本の金融サービス会社、野村證券のチーフエコノミスト、森田恭平氏の推計によると、地震による経済的損害は日本の国内総生産(GDP)の約0.01%に相当する可能性がある。
市場調査会社帝国データバンクによれば、石川県と隣接する富山県の製造・生産企業が能登地方の経済の基盤を形成している。帝国データバンクの調査によると、多くの観光地で構造物やインフラの被害が修復されるまでに時間がかかることから、石川県の観光・サービス産業の回復にはさらに時間がかかる見通しだ。
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