クレムリンは、ウクライナが注意をそらすためにヘルソンのカホフカダムを故意に破壊したと述べ、事件の背後にロシアがいるとの非難を否定した。
「これはウクライナ側による意図的な妨害行為であったことは確認できる」とクレムリンのドミトリー・ペスコフ報道官は本日の記者会見で、ヘルソン州カホフカダムの決壊に言及して述べた。 「彼らの目的の一つはクリミア半島への水供給を断つことだ。」
ペスコフ氏によれば、ウクライナはキエフが実行準備中と発表した大規模な反撃作戦から注意をそらしたいと考えているが、失敗しているという。
ロシアがカホフカダムを破壊したというウクライナからの主張について問われると、ペスコフ氏は「モスクワはこれを断固として否定する」と答えた。同氏は「ウクライナの意図的な破壊行為は、この地域の何万人もの人々に非常に深刻な影響を及ぼす可能性がある」と警告した。
2021年12月、モスクワでクレムリンの報道官ドミトリー・ペスコフ氏。写真： AFP
ロシア領ヘルソン州ドニエプル川のカホフカダムは6月6日の爆発により部分的に破壊された。ロシアとウクライナは共に、これは意図的な攻撃だったと述べ、互いに非難した。
ウクライナのウォロディミル・ゼレンスキー大統領は国家安全保障会議の緊急会議を招集した。ウクライナ当局は、反撃に先立ち、ロシアがウクライナ軍のドニエプル川渡河を阻止するためにカホフカダムを爆破したと非難している。
欧州連合、NATO、英国はいずれもロシアを批判し、この事件の責任はモスクワにあると主張した。
6月6日の朝に決壊したカホフカ水力発電ダムと思われる画像。動画: Telegram/RVvoenkor
ウクライナ領ヘルソン市の北東約70キロに位置するカホフカダムは、ドニエプル川の水を貯水し、同名の水力発電所に供給するほか、ヘルソン州の農業用灌漑や河川航行にも利用されている。
戦争勃発以来、ロシアとウクライナは、ソ連時代に建設されたダムの破壊を企てていると繰り返し非難し合っている。
カホフカ貯水池の容量は約180億立方メートルで、ザポリージャ原子力発電所とクリミア運河に冷却水を供給している。ウクライナとロシアが任命したヘルソン当局者はともに、下流の水位が上昇し、一部地域が浸水したと述べた。
国際原子力機関（IAEA）は、ザポリージャ原子力発電所に「差し迫った安全上のリスクはない」とし、専門家らが「状況を注視している」と確認した。
クリミア半島のセルゲイ・アクショーノフ知事は、ダム決壊による水供給や洪水の脅威は現時点ではないと述べ、貯水池は80％満水で北クリミア運河には約4000万立方メートルの水があると付け加えた。半島当局は運河から漏れる水の量を減らす努力をしている。
カホフカ水力発電ダムの位置。グラフィック: DW
ヌー・タム（ロイター通信、AFP通信）
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