GLSDB兵器の発射を示す図(写真:サーブ)。
GLSDBは、ボーイングとサーブが共同で開発したM26ロケットとGBU-39小口径爆弾を組み合わせたもので、M270多連装ロケットシステム(MRLS)や高機動砲ロケットシステム(HIMARS)などの地上プラットフォームから発射できる。
一方、防衛メーカーのロッキード・マーティンが開発したHIMARSは、米国が2022年初夏までにウクライナの戦場に配備することを約束している。このシステムは、ウクライナが希望しているが国防総省が提供していない最大6発のGMLRSミサイル、もしくは1発の陸軍戦闘ロケットシステム(ATACMS)を発射することができる。
米国政府がボーイングに対し、2022年秋にウクライナ向けGLSDBを購入し引き渡す件で初めて打診した際、国防総省筋や事情に詳しい関係者によると、当時ロイターが閲覧した文書によると、最も楽観的な引き渡しスケジュールは今春のいつかだったという。
しかし、2月にポリティコは武器の輸送は2023年後半まで行われないと報じており、現在、情報筋は2024年まで行われないことを確認。
ウクライナは、米国が送ってきた射程距離160キロのATACMSミサイルの限られた数を補うためにGLSDBを必要としている。これにより、ウクライナ軍は、現在米国から供給されているHIMARSから発射しているミサイルの2倍の距離にある標的を攻撃できるようになり、ロシアは補給物資を前線からさらに遠くに移動させる必要に迫られることになる。
関係筋によると、ボーイングの米国への納入は12月末までに行われ、その後数か月の試験を経てウクライナへ移送される予定だという。
「検証が成功した後、2024年初めにこの重要な兵器をウクライナに引き渡す予定だ」と国防総省の報道官は「試験期間」に言及して述べた。
国防総省の声明によると、GLSDBの生産開始契約は3月に締結されたため、納入は年末までに行われる必要がある。
米国政府がまだ自ら購入していない長距離ミサイルをウクライナに送るという決定は、ボーイング社が昨年夏、欧州駐在の米軍司令官にウクライナへの武器提供を提案したことを受けてのものだ。
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