ニューハンプシャー州での勝利は、共和党内でのトランプ氏の圧倒的な強さを示し、ホワイトハウス争いでのトランプ氏にとって重要な後押しとなるとみられている。
米メディアは1月23日、ニューハンプシャー州で行われた共和党予備選挙でドナルド・トランプ前大統領が勝利したと発表した。暫定的な開票結果では、トランプ氏が54.7%の票を獲得し、元米国国連大使のニッキー・ヘイリー氏が43.6%の票を獲得した。
「もし勝てなければ、アメリカは終わりだと思う」とトランプ氏は勝利演説で述べ、ヘイリー氏にとって「悪い夜」だったと述べ、共和党予備選の次の激戦地であるサウスカロライナ州では自らの選挙戦が楽勝すると予想した。
「今夜のドナルド・トランプ氏の勝利を祝福する。彼は勝利に値し、私はそれを認めたい」とヘイリー氏はニューハンプシャー州の支持者らに語ったが、共和党予備選は「まだ終わっていない」と付け加えた。
ドナルド・トランプ前米大統領は1月23日夜、ニューハンプシャー州で予備選挙の結果を監視するイベントに出席した。写真： AFP
専門家によると、上記の結果は、ニューハンプシャー州の予備選挙に多大な時間と資金を投入したヘイリー氏にとって危険な後退だという。
フロリダ州のロン・デサンティス知事が先週末に撤退を発表して以来、彼女は共和党の指名争いでトランプ氏の最後の主要ライバルとなっている。ヘイリー氏は、前大統領の信頼性を損なおうと、同氏への批判を強め、同氏の知的能力に疑問を投げかけ、党を団結させ世代交代を導く能力のある候補者として自らをアピールした。
しかし、このメッセージは十分に反響しませんでした。トランプ氏はこれで、1976年に両州で選挙シーズンが始まって以来、アイオワ州とニューハンプシャー州の予備選挙で勝利した初の共和党大統領候補であることを誇れることになる。
ニューハンプシャー州でのヘイリー氏の敗北は、彼女がどれだけ長く選挙戦を続けられるのかという疑問を生じさせている。投票を前に、ヘイリー氏は州内で強力な支持を示すよう寄付者から圧力を受けていた。
トランプ氏の勝利は明らかにヘイリー氏の持続力と、寄付者が彼女にどこまで協力してくれるかに影響を与えるだろう。
CNNの上級政治評論家デビッド・アクセルロッド氏は、ヘイリー氏は来月、特に故郷のサウスカロライナ州で困難な道に直面するだろうと述べた。
「もし私が今夜ドナルド・トランプだったら、彼女を視界から消すだろう」と彼は言った。 「ヘイリー氏と選挙戦に参戦した他の候補者全員に祝意を表したい。そして、ジョー・バイデン大統領とのより重要な戦いに移る時が来たと言いたい。」
観測者たちは、予備選挙でのトランプ氏の2回連続の勝利は、共和党が急速にこの元大統領を支持に導き、同氏を3回連続の大統領選に出馬する党候補にしようとしていることの顕著な兆候だと考えている。アイオワ州で圧倒的な勝利を収めた後、トランプ氏はニューハンプシャー州でも勝利し、「翼の生えた虎」のようになった。
「初期の両州で圧倒的かつ比較的楽な結果を得たことで、トランプ氏は共和党内の各派閥をしっかりと結束させる能力を示している」とAP通信の解説者ホリー・レイマー氏、ウィル・ワイザート氏、ジル・コルビン氏はコメントした。
トランプ氏はアイオワ州で強い影響力を持つ保守派福音主義者や、ニューハンプシャー州の穏健派有権者から支持を得ている。他の州でも予備選挙が行われるため、この傾向は続くと予想される。
ニューハンプシャー州の有権者はトランプ氏を無条件に支持
専門家らは、トランプ氏が2020年の選挙結果を覆そうとした容疑から機密文書の不正取り扱い、ポルノ女優への口止め料の支払い手配まで、さまざまな問題で91件の起訴に直面していることを考えると、過去2回の選挙での同氏の強い立場は注目に値すると述べている。トランプ大統領は任期中に2度弾劾された初の米国大統領でもある。
しかし、トランプ氏は共和党支持者の目に弱点を強みに変える術を知っている。元大統領は、自身に対する前例のない訴追は米国司法省が「政治化」されていることを示していると主張したが、司法省当局者やバイデン大統領、あるいはホワイトハウスの他の誰かがこれを推進したという証拠はない。
トランプ氏は支持者に対し、自分は彼らのために訴追に直面していると繰り返し述べており、この主張は共和党支持者との関係をさらに強固なものにしたようだ。
AP通信の世論調査の結果によると、トランプ氏は予備選挙参加者の約3分の2が住むニューハンプシャー州の小さな町や田舎のコミュニティで勝利した。
彼は保守的な共和党支持者の約70％の票を獲得した。元米国大統領は、アイオワ州とニューハンプシャー州両州で移民と経済を優先する共和党員からも支持されていた。
移民問題を最優先事項と考えるニューハンプシャー州の有権者のうち、約4分の3がトランプ氏を支持している。同州の予備選挙の有権者は、移民の抑制と米墨国境の壁建設についてトランプ氏に賛同している。経済を気にする有権者の約50％がトランプ氏に投票した。
ニューハンプシャー州セントアンセルム大学のクリストファー・ガルディエリ教授は、この結果はトランプ氏の共和党支配が「揺るぎない」ものであることを示すこれまでで最も明確な証拠だと述べた。
「共和党はドナルド・トランプに非常に執着している。彼らはあまりに執着しているので、良い共和党員になるためには良いトランプ支持者でなければならないと考えている。彼らにとってそこから抜け出すのは本当に難しい」とガルディエリ氏は語った。
ヴー・ホアン（ AP通信、ロイター通信、AFP通信、アルジャジーラ通信）
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