中国科学院(CAS)の科学者らは、学術誌「中国希土類元素」に最近発表された研究論文の中で、新たな資源の出現により、中国の希土類元素の推定シェア62%が2035年までにわずか28%にまで低下する可能性があると警告した。
西オーストラリア州にある、純度 99% のネオジム鉱床を有する希土類鉱山施設。写真: Australianresourcesandinvestment
研究者らのモデルは、さらなる減少により、世界の希土類市場における中国のシェアは2040年までに23%に低下し、アフリカ、南米、オーストラリアでの採掘フロンティアの拡大により業界が再編される可能性があるため、北京は「以前の優位性を完全に失う」ことになると予測している。
専門家らによると、イオン吸着粘土に集中している中国南部の大規模な希土類鉱床でさえ、グリーンランドのクバネフィエルド鉱山や南米のいくつかのプロジェクトによって脅かされる可能性があるという。
希土類に関する報告書は、中国東部江西省贛州市にある中国科学院贛江イノベーションアカデミーの研究者らによって作成された。中国はかつて、世界の希土類埋蔵量の60%を保有し、世界の処理量の90%を占めていると主張していた。
スマートフォンや電気自動車などのハイテク製品の製造において重要な役割を果たすことから、中国の希土類埋蔵量に対する影響力はハイテク産業に競争上の優位性を与え、北京にとって地政学的な切り札となっている。
「2040年までに希土類の世界的な需要が拡大し続けるにつれ、アフリカとオーストラリアはそれぞれ潜在性の高い希土類鉱床をさらに開発するだろう。ヨーロッパも世界的な希土類サプライチェーンに参加し始めるだろう」と研究者らは記している。
2040年までの世界の希土類鉱床の予測。図:中国科学院
研究者らは、この研究で高度な「エージェントベースモデリング」を使用し、2025年から2040年までの世界の鉱業に関する決定と産業需要をシミュレートした。
報告書によると、ジスプロシウムなどの重希土類元素が豊富に含まれるブラジルのセラ・ヴェルデ鉱山とアマゾン鉱山は、2040年までに世界の需要の最大13%を供給できる可能性があるが、この推定値は先住民族との衝突や環境規制の影響を受ける可能性がある。
オーストラリアでは、純度99%のネオジム鉱床で有名なマウントウェルド地域と、副産物として銅とウランを生産するオリンピックダム鉱山が、中国を迂回するために米国との合弁事業で精錬ネットワークを構築している。
クアン・アン(CAS、サウスチャイナモーニング通信による)
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