ウクライナとの国境で緊張が高まり、ポーランドはEUに支援を求める

農民が国境検問所を封鎖し輸入を妨害したことを受け、ポーランド政府は、欧州連合（EU）の執行機関である欧州委員会（EC）に対し、穀物をめぐるウクライナとの紛争の緩和を支援するよう要請した。

ウクライナ国境警備局の報道官アンドリー・デムチェンコ氏によると、抗議活動はここ数日激化しており、2月21日にはポーランドから国境を越えようとしたトラック2,500台が立ち往生したという。

農民らは2月20日に国境検問所の線路に穀物を撒き散らし、ウクライナからの旅客輸送と鉄道の交通を妨害したため、両国当局から非難を浴びている。 2月20日だけでポーランド全土で200件を超える抗議活動が記録された。

この事態は、輸入品が地元の農業コミュニティに与える影響をめぐって、東欧の隣国2カ国間の緊張が高まっていることを浮き彫りにしている。

二国間および汎欧州的な解決策が必要

ウクライナのミコラ・ソルシキー農業大臣とポーランドのチェスワフ・シェキエルスキ農業大臣は2月21日に合意を見出すために会談したが、ほとんど進展はなかった。

ウクライナ政府は現在、ロシアとの紛争で泥沼化している同国の主な収入源を守るため、ドナウ川を横断する新たなルートを建設し、穀物輸送の迂回を図る計画を立てている。

「交渉は困難で、すぐには進展がなかった」とポーランドのミハル・コロジェチャク農業副大臣はポルサット・ニュースに語った。 「ここでは欧州委員会とその委員長の意見が非常に重要になるだろう。」

2024年2月20日、ポーランド南東部ドロフスクにあるポーランド・ウクライナ国境検問所前で、ポーランドの農民が抗議活動を行い、交通を遮断した。写真：ブリュッセル・シグナル

ウクライナのウォロディミル・ゼレンスキー大統領は2月21日、ソーシャルメディア上で、ロシアによるウクライナ侵攻2周年（2022年2月24日～2024年2月24日）を前に、現在の憂慮すべき状況を解決するため、ポーランドのドナルド・トゥスク首相とEU代表者との間で国境で会談したいと表明した。

「もう十分誤解してきた。互いに侮辱し合うべきではないし、ウクライナやポーランドの農民を侮辱してはならない。私たちには団結が必要だ。二国間、ウクライナとポーランドの間、そして欧州レベルで解決策が必要だ」とゼレンスキー大統領は声明で述べた。

これに先立ち、ウクライナ大統領は2月21日に閣僚らとの会合を開き、国境封鎖が主要議題となった。ゼレンスキー大統領はテレグラムで、ウクライナとEU間の貿易自由化は継続されるべきだと強調し、この問題に関するECの「明確な立場」に感謝の意を表した。

この抗議活動はポーランドのドナルド・トゥスク首相にとって課題となっている。トゥスク首相は昨年12月に就任してわずか数週間で、ポーランドのトラック運転手らによる数ヶ月に及ぶ国境封鎖を鎮圧する方法を見つけなければならなかった。

ウクライナが米国の軍事援助不足に苦しむ中、トゥスク政権は現在、ポーランドの政治的に影響力のあるグループをなだめつつ、キエフへの重要な援助を妨げないようにバランスを取ろうとしている。

2024年2月20日、ポーランド側のメディカ国境検問所に農民が穀物を投棄している。写真：ガーディアン

欧州委員会がウクライナからの輸入に対してセーフガード措置を提案する一方で、ポーランドのコロジェイチャク農業副大臣は、ワルシャワはEUが他のウクライナ産品の数々に対して地域全体の割当制度を導入することを望んでいると述べた。

コロジェイチャク氏はトゥスク氏率いる現政権に任命される前、昨年農民の抗議活動を主導し、前政権にウクライナ産穀物の禁輸措置を強いた。

非常に憂慮すべき展開

現在、穀物の輸送はバルト海の港やヨーロッパの他の地域に向かう途中でのみポーランドを経由することができる。しかし、ポーランドの農家は政府に対し、砂糖や冷凍フルーツなど他の食品の国境を閉鎖するよう要請した。彼らは、輸入農産物のほとんどが低品質であったり、違法に輸送されたりしていると主張している。

ウクライナの高官は今週、ロシアとの戦いに使う重要な物資を同盟国から受け取るのを待つ東欧諸国にとって、国境封鎖が自国の防衛能力を損なっていると述べた。

ポーランド政府はこの主張を否定し、ウクライナへの軍事援助やその他の物資の配達は警察の護衛の下で今も行われていると述べた。

しかし、抗議活動は国民の気分に影響を及ぼし始めている。例えば、ポーランドの抗議者のトラクターに掲げられたプラカードには、ロシアのウラジーミル・プーチン大統領に対し、ウクライナに来て事態の解決を求めるものがあった。このことは激しい怒りを引き起こし、ソーシャルメディア上でポーランド製品のボイコットを求める声が上がった。

ポーランド外務省は2月21日、農民の抗議行動で反ウクライナ、親ロシアのスローガンが叫ばれたことに対し深い懸念を表明し、これをモスクワによる挑発行為だと述べた。

2024年2月20日、ラヴァ＝ルスカ国境検問所で、ウクライナのトラック運転手がポーランドの農民に抗議してトラックの前に旗を掲げている。写真：ゲッティイメージズ

ウクライナのタラス・ヴィソツキー農業副大臣は、2月21日の封鎖がヤホディン・ドロフスクにあるポーランドとの主要国境検問所に引き続き影響を及ぼしていると述べた。ウクライナ国境警備隊の広報担当者デムチェンコ氏によると、他の4カ所の国境検問所では、ポーランドの抗議活動参加者らは1時間あたりトラック3台のみの通過を許可した。

「ウクライナが自国製品の市場を国境付近で見つけたいと考えているのは明らかだ」とポーランドのコロジェイチャク次官は述べた。 「しかし、ポーランド市場はそのような製品には小さすぎるということは、ウクライナを含め、我々全員にとって明らかなはずだ。」

農民の懸念に対応するため、EU加盟国は2月21日、安価なウクライナ産農産物が市場に溢れ、ポーランド産品の価格が下落するのを防ぐための「セーフガード措置」を求めるブリュッセルの提案を支持した。

ECの提案は、「EU市場に重大な混乱が生じた場合の迅速な是正措置」を規定している。

最も影響を受けやすい製品である鶏肉、卵、砂糖については、将来の輸入量が2022年と2023年の平均量を超えないように「緊急ブレーキ」が適用される。

この提案は加盟国の大多数から承認された後、発効前に欧州議会（EP）での交渉が必要となる。

ミン・ドゥック（ブルームバーグ、DW、アルジャジーラによると）

ソース: https://www.nguoiduatin.vn/cang-thang-leo-thang-o-bien-gioi-voi-ukraine-ba-lan-cau-cuu-eu-a650763.html