ルナ25号は計画通り月面に着陸できなかったが、これはおそらく宇宙船の制御装置がエンジンを時間通りに停止できなかったためだと考えられる。
ルナ・リコネッサンス・オービターは8月19日、ロシアのルナ25号探査機が残したと思われるクレーターを撮影した。写真: NASAゴダード宇宙飛行センター/アリゾナ州立大学
ロシアの月着陸船ルナ25号は、約50年ぶりに月に到達したが、8月19日に月面に墜落し失敗した。墜落は、2日後に予定されていた月の南極付近への着陸に向けた進路調整中に起きた。ロシアの宇宙機関ロスコスモスは事故直後、原因として考えられることを発表した。ルナ25号宇宙船のエンジンが、予想されていた84秒ではなく127秒間作動していたためだという。
専門家らは、故障の原因について次のように詳しく説明している。船舶の制御装置が加速度計(動きを検知・測定する装置)の1つから必要なデータを受け取れなかったため、エンジンを停止できなかったという。
ロスコスモスは10月3日、テレグラムに「加速度計が動作しなかったのは、実行優先度の異なるコマンドからなるデータシーケンスの入力が原因と考えられる。このため、必要な速度に達した瞬間を記録し、宇宙船の推進システムを速やかに停止することができなかった」と投稿した。
ロスコスモスの専門家とロシアのウラジーミル・プーチン大統領によると、ルナ25号宇宙船はロシアの月探査計画を再開するために設計されたもので、今回の失敗でその構想が変わることはないという。ロシアは次の3機の宇宙船、ルナ26号、27号、28号をそれぞれ2027年、2028年、2030年以降に打ち上げることを目指している。しかし、ルナ25号の失敗を受けてスケジュールは早まる可能性があると、ロスコスモスのユーリ・ボリソフ最高経営責任者は、10月2日から6日までアゼルバイジャンで開催されている2023年国際宇宙会議で述べた。
ルナ25号は、水の氷が大量に存在すると考えられている月の南極地域に着陸する初の宇宙船となることを目指していた。しかし、8月19日の墜落により、この称号はインドのチャンドラヤーン3号宇宙船に譲らざるを得なくなった。チャンドラヤーン3号は、ルナ25号の失敗からわずか4日後の8月23日に、ヴィクラム着陸機とプラギャン探査機を南極付近に着陸させた。この成功により、インドはソ連、米国、中国に続いて月面着陸に成功した4番目の国となった。
Thu Thao (スペースによると)
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