ウクライナのウォロディミル・ゼレンスキー大統領は、長らく予想されていたロシア軍に対する反撃が期待された結果をもたらさなかったことを認めた。しかし、損失が拡大する中、ゼレンスキー氏はモスクワとの和平交渉は行わないと述べた。
「これはハリウッド映画のようなものだと思い、すぐに結果が出ると期待する人もいる。だが、事態はそうは進んでいない」とゼレンスキー氏は6月21日、 BBCに語り、ウクライナ軍の進撃が「予想よりも遅い」ことを認めた。
ゼレンスキー氏は「我々に圧力をかけようとする試みを含め、一部の人々が何を望んでいようとも、我々は最善を尽くせる方法で戦場を前進し続ける」と述べた。
ウクライナのウォロディミル・ゼレンスキー大統領。 (写真:ニューズウィーク)
ロシア国防省によれば、ウクライナの反撃は6月4日に始まったが、ドネツク地域付近のロシア軍陣地を攻撃することはできなかった。ドネツク州とザポリージャ州で連続攻撃が続いたが、ロシア軍によってすべて撃退された。
ロシア国防省は、ウクライナに送られた西側諸国の装甲車両や戦車数百台も攻撃で破壊されたと発表した。
一方、ゼレンスキー大統領はBBCに対し、ウクライナ軍がドネツィクとザポリージャの前線沿いの8つの村を占領したと語った。一方、ロシア国防省は、ウクライナ軍がロシアの第一防衛線の第一層をまだ突破していないと発表した。
クレムリンが先週発表した報告書によると、前線には塹壕、地雷原、要塞が並び、ロシアの砲兵と航空支援が空を制圧する中、ウクライナは西側諸国から供給された戦車と装甲車の30%を失ったという。
ゼレンスキー大統領は、西側諸国からの支持を固めるために戦場で画期的な勝利を達成するようプレッシャーを受けていると言われており、キエフに有利に紛争を解決するには「戦場での勝利が必要」であると認めた。
しかし、ゼレンスキー氏は「この反撃でどれだけ前進しても、凍結された紛争には同意しない。それはウクライナにとって将来がない展開だからだ」と述べた。
ゼレンスキー大統領は、昨年の住民投票で併合されたモスクワの4地域(ドネツク、ルガンスク、ヘルソン、ザポリージャ)からロシア軍を撤退させると繰り返し誓っている。彼はまた、クリミアを奪還すると断言した。
一方、米国、英国、その他のNATO諸国は、紛争を「凍結」しないというゼレンスキー氏の姿勢を支持しているが、ウクライナ軍がクリミアを攻撃する望みがないことも認めている。
「舞台裏では、多くの西側軍事アナリストがウクライナの作戦の成功について深い懐疑心を抱いている。詳細には触れないが、キエフ政府が発表した任務は外国の専門家によって不可能だとみなされているとだけは言える」とロシア対外情報局(SVR)のセルゲイ・ナルイシュキン局長は述べた。
トラ・カーン(出典:russian.rt.com)
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