ASEANは地域を代表する外交組織であり、オーストラリアは同地域との関係、特に経済関係を深めるためにより多くの時間と資源を投入したい意向を示している。
オーストラリアの外交官たちは近年、東南アジア諸国との戦略的、そして場合によっては防衛的関係の構築に尽力してきた。しかし、厳しい現実は、オーストラリアとこの地域の国々との経済関係が、この地域の急速な成長にまったく追いついていないということだ。
特別会議
オーストラリアは東南アジアの重要な経済パートナーとしての地位を回復するため、3月4日から6日までメルボルンでASEAN首脳との特別首脳会議を主催する予定。
この首脳会談は、オーストラリアのアンソニー・アルバネーゼ首相が言うところの東南アジアにおける自国の「経済的将来」の基盤を築く機会となる。このイベントは、キャンベラがASEANの最初の対話パートナーになってから半世紀を記念するものでもある。
オーストラリアがこのようなイベントを主催するのは今回が初めてではない。 2018年、マルコム・ターンブル首相の下、ASEAN首脳らがシドニーで会合を開いた。
オーストラリアは、2024年3月4日から6日までメルボルンでASEAN首脳との特別首脳会議を主催する予定です。写真:ABCネットニュース
今回のサミットには、インドネシアのジョコ・ウィドド大統領やシンガポールのリー・シェンロン首相など地域のベテラン指導者や、カンボジアのフン・マネ首相など意欲的な若手指導者も参加する予定だ。
オーストラリアはメルボルンであらゆる機会を利用して自国の経済政策を推進したいと考えているが、現実には、アルバネーゼ首相とオーストラリア政府関係者は、東南アジアに門戸を開くよう説得するよりも、オーストラリアの企業にこの地域に投資するよう説得することに少なくとも半分の努力を費やさなければならないようだ。
ABCが入手した会議計画書では、アルバネーゼ氏が手ぶらで到着することはないだろうとも明らかにされており、ASEANとオーストラリアの協力を強化し深化させるための一連の「複合的な取り組み」を示唆している。
「牧草地は青々としている」
昨年9月にインドネシアのジャカルタで開催されたASEAN首脳会議で、アルバネーゼ氏は2040年までのオーストラリアの東南アジア経済戦略に関する「Invested」と題する報告書を発表し、同地域における最も近い隣国との貿易・投資関係の強化にオーストラリア政府が関心を持っていることを示した。
「こここそがオーストラリアの経済的運命を決定づけ、共通の繁栄を築く場です。共に協力することで、この地域、そしてインド太平洋地域の平和、安定、そして安全を確保できるのです」とアルバネーゼ氏は当時述べた。
マッコーリー・グループのアジア太平洋地域における足跡を築いたとされる投資銀行家ニコラス・ムーア氏が主導し、現在では「ムーア・レポート」として広く知られる「インベストド」は、ASEAN加盟国がいかにしてオーストラリアの伝統的な経済パートナーの成長を上回り、今後もその勢いを維持するかを概説している。
しかし、この地域におけるオーストラリアの貿易シェアは20年間停滞しており、2022年までにこの地域がオーストラリアの外国投資の3%未満を占めるにとどまり、過去5年間で半分以下に減少した。
オーストラリアのアンソニー・アルバネーゼ首相。写真: ゲッティイメージズ
これに、新型コロナウイルス感染症のパンデミック以降の中国との緊張と、成長を継続するためだけでなく「リスクを軽減」するためにもオーストラリアが「より緑豊かな環境」を求める必要性が加わる。こうしたことから、オーストラリアの東南アジアへの「軸足」は自然で疑問の余地のない事柄であるように思える。
興味深いことに、ASEANが世界の外国直接投資フローに占める割合は10年で2倍以上となり、2022年には17.3%に達する一方、オーストラリアの同分野への貢献は縮小している。伝統的なASEAN内投資や米国、英国、中国、日本、韓国などの大国がオーストラリアより先行しているだけでなく、フランスやオランダの企業も同様である。
「オーストラリア企業は多くのものを提供できる。同時に、新市場への進出を支える『アジア能力』を構築するために、やるべきこともたくさんある」と、メルボルンに拠点を置くコンサルティング会社アジアリンク・ビジネスのCEO、リー・ハワード氏はストレーツ・タイムズ紙に語り、この地域への進出を競っているのはオーストラリアだけではないことを指摘した。
ハワード氏は「いかにして現地市場と関わり、関係を育み、理解を深めるかが、オーストラリア企業が東南アジアに進出して成功するために極めて重要になる」と語った。
ミン・ドゥック(ストレーツ・タイムズ、ABCネットニュース、ロイター通信による)
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