欧州最大の経済大国ドイツは、11月中旬にドイツの最高裁判所の一つである連邦憲法裁判所が衝撃的な判決を下したことを受けて、長期にわたる財政難に直面している。
この判決は、通常の連邦予算外の「特別基金」に関する疑問を提起し、約170億ユーロ相当の 財政「穴」を生み出す。ドイツのオラフ・ショルツ首相率いる与党連立政権が2024年度予算を可決したい場合、この「穴を埋める」のは困難となるだろう。
12月7日、ショルツ首相率いる社会民主党(SPD)の有力議員カティア・マスト氏は、与党「信号機」連合が年末までに2024年度予算を「確定」することはできないだろうと認めた。
マスト氏は、SPD、緑の党、自由民主党(FDP)の3党連立政権が今後数日中に予算案で合意に達したとしても、2023年末までにドイツ議会(連邦議会)から必要な承認を得るには時間が足りないだろうと述べた。
連立政権において各党を代表するショルツ首相、ロバート・ハーベック経済相、クリスティアン・リンドナー財務相に対し、1月初めにドイツ議会で承認される予算案に速やかに合意するよう圧力が高まっている。3人はそれぞれ、優先事項がしばしば対立している与党連立政権の3党を代表することになる。
ドイツ政府がこれまで予算で合意に至っていないという事実は、与党連合内の深い亀裂をさらに浮き彫りにしている。
2023年11月20日、ドイツ西部のヨーロッパの金融の中心地、フランクフルト・アム・マインの街並み。写真:ユーロニュース
緑の党と社会民主党は、クリーンエネルギーへの移行を加速し、ドイツ国内のマイクロチップやバッテリー工場の建設を促進するための補助金などを維持したいと考えている。
一方、前述の170億ユーロの不足分を補うため、リンドナー氏率いる自由民主党は支出削減と補助金削減を望んでいる。リンドナー氏は、ドイツがそのような補助金を通じて競争力、繁栄、社会保障を確保できるとは考えていない。
ショルツ氏、ハーベック氏、リンドナー氏の3人は、財務大臣がブリュッセルでのEU各国首脳との会談から戻った後、予算協議を再開することで合意した。
12月末までに内閣が新たな予算案を可決し、議会に承認を求めるという目標が今や「手の届かない」ものとなったため、リンドナー首相は2024年の早い時期に政府を運営するための暫定計画を策定する必要がある。
「連立政権のパートナーが非常に野心的なスケジュールを掲げていることは承知しているが、来年まで予算法が成立しなくても危機にはならないだろう」とリンドナー首相は12月7日、ベルギーの首都で記者団に語った。
「国家は完全に機能しており、公的機関が閉鎖されることはなく、給与が支払われず、誰も期待している財政支援を受けられないことはない」とリンドナー氏は付け加えた。
欧州最大の経済大国の予算の不確実性について投資家は懸念すべきかとの質問に対し、リンドナー氏は、対GDP債務比率が低下し、年間赤字が縮小しているドイツは依然として「安定した錨」であると強調した。
「現在、投資に最適な場所はドイツだ」とリンドナー大臣は断言した。
ショルツ氏、ハーベック氏、リンドナー氏は12月10日夜に会談し、2024年度予算に関する合意をまとめ、その後12月11日朝にメディアに発表する予定だ。
ミン・ドゥック(ポリティコEU、ブルームバーグによる)
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