世界中の異常気象パターンにおける気候変動の役割の評価を専門とする組織、ワールド・ウェザー・アトリビューションの国際科学者チームの分析によると、地球温暖化により干ばつの発生確率が30倍に高まり、極端な高温につながり、降雨量の減少につながるという。
ブラジルのマナウスにあるアマゾン熱帯雨林の主要河川港の水位が少なくとも121年ぶりの最低を記録した中、少年がイガラペ川の乾いた側を歩いている。写真：ロイター
この研究は2023年6月から11月にかけて実施された。それによると、科学者らは、ブラジル、コロンビア、ベネズエラ、ペルーを含むアマゾン熱帯雨林を有する9か国での干ばつは、雨期が5月に減少し始めると、2024年に悪化すると予測している。
世界最大の熱帯雨林であるアマゾンの森林は地球上の大量の温室効果ガスを吸収する上で重要な役割を果たしているため、その保護は気候変動を抑制する上で極めて重要だと考えられている。
「私たちは本当にアマゾンの健全性を心配すべきだ」と、研究の共著者でブラジルのサンタカタリーナ連邦大学の研究者、レジーナ・ロドリゲスは語った。
しかし、研究者らは、干ばつの影響でアマゾンの多くの地域で川の水位が記録的な低水準まで下がったと述べている。これにより山火事が悪化する可能性があり、気候変動や森林破壊と相まってアマゾンは回復不能な状態に陥る可能性がある。森林の生物多様性は徐々に枯渇し、アマゾンはもはや緑豊かな熱帯雨林ではなくなるだろう。
イランドゥバのカカウ・ピレラにあるリオ・ネグロ川に座礁したハウスボートとボート。写真：ロイター
さらに、研究によれば、東太平洋の周期的な温暖化であるエルニーニョ現象も降雨量の減少に寄与していることが明らかになっています。この地域は過去20年間に少なくとも3回の深刻な干ばつに見舞われているが、今回の干ばつの規模は前例がなく、アマゾン川流域全体に影響を及ぼしている。
ブラジルでは、アマゾン川の主要支流の水位が1902年以来最低にまで低下した。この支流の小川はほとんど消滅した。
「わずか数カ月で水路が干上がり、人々は食料や医薬品、その他の必需品を得るために乾いた川をボートで渡るという困難な旅を強いられている」と、オランダに拠点を置く赤十字・赤新月社気候センターの研究共同執筆者シンフィウェ・スチュワート氏は述べた。
2023年10月10日、干上がったリオ・ネグロ川の砂地の岸辺で、トラック3台、空のガスボンベ2,000個、バックホーを積んだタグボートとはしけが動けなくなった。これはブラジルのカカウ・ピレラにある深刻な干ばつ地域です。写真：ロイター
ブラジルの研究者らによると、昨年は水位低下と気温上昇により、絶滅危惧種であるアマゾンのピンクイルカとグレーイルカの少なくとも178頭が死んだ。アマゾン川の支流では酸素レベルの低下により何千匹もの魚も死んだ。
ゴック・アン（ロイター通信による）
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