昨日7月22日、国連人道問題担当事務次長マーティン・グリフィス氏は、二大穀物輸出国であるロシアとウクライナ間の穀物輸出協定が延長されなければ、数百万人が飢餓の危機に瀕すると警告した。ロイター通信は、今週、世界の食料価格が急騰し、1年以上かけて苦労して得た利益が消え去る恐れがあると当局者が述べたと報じた。
黒海協定に基づき穀物を輸送していたTKマジェスティック号が7月15日にイスタンブール(トルコ)に停泊した。
モスクワの要請
国連とトルコの仲介により、ロシアとウクライナは2022年7月に黒海沿岸のウクライナの港から穀物を輸出することで合意に達し、世界的な食糧価格高騰の沈静化に貢献した。しかし、ロシアが延長しないと発表したため、この協定は今週初めに失効した。タス通信によると、ロシアはその後数日間、合意の対象となっているウクライナの港湾への攻撃を続け、ウクライナがそれらの施設を軍事作戦の支援に利用していると非難した。
ロシアが協定を延長しないと決めた理由の一つは、自国の穀物と肥料の輸出に対する障壁のためだった。ウラジーミル・プーチン大統領とロシア当局者は、モスクワ側の条件が満たされた場合にのみ協定が更新されると述べた。 RTによると、ロシアの主な要求は、ロシア農業銀行をSWIFT国際決済システムに再接続すること、重要なアンモニアパイプラインを立ち上げること、ロシアがスペアパーツや農業機械を輸入することを許可すること、輸送と物流に保険を義務付けることである。
双方の計画
同日7月22日、ロシアのセルゲイ・リャブコフ外務次官は、同国は農産物や肥料の輸出を継続し、支援を必要とする国々を支援するための代替策を模索すると述べた。
フィナンシャル・タイムズは、ロシアがカタールに穀物を販売し、カタールがそれをトルコに輸送し、その後アフリカ諸国に再分配することを提案したと関係者らの話として伝えた。しかし、カタールとトルコはこの計画に反対していると言われている。なお、関係者は上記情報についてはコメントしていない。
国連のデータによると、過去1年間で黒海イニシアチブは、1,000隻以上の船舶で輸送され、ウクライナの港から45カ国に約3,300万トンの穀物の輸出に貢献した。この合意により、世界食糧計画は、アフガニスタン、ジブチ、エチオピア、ケニア、ソマリア、スーダン、イエメンへの援助として72万5000トン以上の小麦を届けることも可能となる。
一方、ウクライナはロシアの参加なしに独自の計画を提案しており、それによればトルコは黒海の穀物船の護衛に参加することになる。 7月21日、ウクライナのウォロディミル・ゼレンスキー大統領はトルコのレジェップ・タイイップ・エルドアン大統領と電話会談し、穀物取引の修復に向けた「協調的な取り組み」について話し合った。エルドアン大統領は電話会談前に、合意失効による悪影響を防ぐため、積極的な措置を取ることを「ためらわない」と述べた。一方、エルドアン大統領は西側諸国に対しロシアの要求を考慮するよう求め、食料価格の上昇や食料不足による新たな移民の波などの結果を警告したとロイター通信が報じた。
ロシアのセルゲイ・ヴェルシニン外務次官は、ウクライナの計画についてコメントし、トルコに黒海を通過する穀物船の護衛を許可することは実現可能な選択肢ではなく、「危険な選択」だと述べた。ロシアが穀物協定に復帰するかどうかは「外国のパートナー」次第だと同氏は強調した。一方、外交官は、ロシアがウクライナとの合意から離脱したことを受けてアフリカ諸国が抱く懸念を理解していると述べ、7月下旬にサンクトペテルブルク(ロシア)で開催されるロシア・アフリカ首脳会談で穀物供給計画を提示することを約束した。
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