トランプ大統領、元情報機関長官をウクライナ特使に任命することを検討

ロイター通信は関係筋の話として、ドナルド・トランプ次期米大統領が、元情報機関長官のリチャード・グレネル氏をロシア・ウクライナ紛争の特使に任命することを検討していると報じた。

元情報長官リチャード・グレネル。 （写真：ロイター）

グレネル氏は、トランプ大統領の2017年から2021年の任期中、駐ドイツ米国大使および国家情報長官代行を務めた。同氏がその職に任命されれば、紛争終結に向けたトランプ氏の取り組みにおいて重要な役割を果たすことになるだろう。現在、ロシアとウクライナの特使はいないが、トランプ大統領はそうした役職の創設を検討していると、事情に詳しい関係筋が明らかにした。グレネル氏が新たな役職に指名された場合、それを受け入れるかどうかは不明だ。選挙運動中、トランプ氏は紛争を速やかに終結させると誓ったが、どのように終結させるかについては明言していない。グレネル氏の立場の一部はウクライナの指導者には受け入れられないかもしれない。グレネル氏は7月にブルームバーグが主催した円卓会議で、紛争解決の手段として「自治区」の創設を提唱した。また、トランプ大統領は、近い将来にウクライナが北大西洋条約機構（NATO）に加盟することを支持しないとも述べたが、この見解はトランプ大統領の多くの同盟国も共有している。グレネル氏の支持者たちは、同氏が外交経験を持ち、欧州情勢について深い理解を持っていることを強調している。グレネル氏は駐ドイツ大使としての職務に加え、セルビアとコソボの和平交渉における大統領特使も務めた。