ウクライナのウォロディミル・ゼレンスキー大統領は11月16日のメディアのインタビューで、来年までに外交を通じてロシアとの紛争を終わらせるために同国はあらゆる手段を講じなければならないと述べた。
ウクライナの指導者は、東部の戦況は困難であり、ロシアが前進していると述べた。同氏は、ロシアのプーチン大統領は和平協定に同意する意向がないと述べた。
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ウクライナ大統領によれば、米国の規制により、2025年1月に大統領に就任するドナルド・トランプ次期大統領と会うことはできないという。ゼレンスキー氏は、トランプ氏とのみ話し合い、特使や顧問とは話さないと述べた。
「ウクライナ大統領として、私は米国大統領との対話のみを重視し、いかなる側近や国民に対しても最大限の敬意を払う。われわれとしては、外交手段を通じて来年この戦争を終わらせるために全力を尽くさなければならない」とゼレンスキー大統領は述べたとロイター通信は伝えた。
ロシアのウラジーミル・プーチン大統領とウクライナのウォロディミル・ゼレンスキー大統領(右)
同日、タス通信はロシアのセルゲイ・ラブロフ外相が、次期米国大統領がウクライナ危機をどう解決するつもりなのかは分からないが、モスクワとしては大統領がどのような解決策を出すのか楽しみにしていると述べたと報じた。
「(トランプ大統領がこの危機をどう解決するか)想像がつかない。彼の提案を待ちましょう。この問題について問われたとき、戦争ではなく平和を支持すると言う政治家は誰であれ、注目に値すると我々は繰り返し強調してきた」とラブロフ外相は述べた。
関連して、ロシア外務省は、ラブロフ外相がアラブ首長国連邦(UAE)訪問中にウクライナ危機に関するアプローチと原則を説明したと発表した。
ラブロフ外相は11月15日から開催されるシルバニヤス国際平和・安全保障フォーラムに出席するため、アブダビ(UAE)に到着した。同外交官は一連の二国間会談を行った。
ウクライナ危機をめぐる状況を議論する際に、他のフォーラム参加者はより現実的なアプローチを取っているかと記者から問われると、ラブロフ外相は意見は確かにより現実的になっていると述べた。
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ロシアがさらに2つの村を支配
戦況について、ロシア国防省は11月16日、同国軍がウクライナ東部のドネツク州にあるマカリウカ村とグリホリウカ村の2つの村をさらに制圧したと発表した。
マカリウカ村はヴェリカ・ノヴォシルカ地域の南に位置し、一方フリホリウカ村はロシアが先月制圧したセリドベ市の西に位置している。
これに先立ち、ロシア国防省は11月15日、11月9日から15日までの週にドネツクとハルキフのさらに5つの村を制圧したと発表した。
TASS通信によると、具体的にはロシア軍部隊はハリコフ州のコレスニコフカ村とドネツク州のヴォズネセンカ村、ヴォルチェンカ村、ステパノフカ村、ロヴノポリ村を制圧した。
日本外務大臣がウクライナを訪問
共同通信は、岩屋毅外相が11月16日にウクライナを予告なく訪問し、同国の指導者らと会談したと報じた。これは明らかに、キエフに対する日本のコミットメントを示すためだ。
岩屋大臣は地域経済会議に出席するためペルーを訪れたのちウクライナを訪問した。先月石破茂首相が就任して以来、日本の大臣がウクライナを訪問するのは初めてとなる。
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岩屋大臣はポーランドから鉄道で移動し、11月16日(現地時間)、ウクライナのシビハ外相と会談し、ゼレンスキー大統領と会談した。
1月初め、当時の日本の上川陽子外務大臣がウクライナを訪問した。石破首相の前任岸田文雄首相は2023年3月に予告なくウクライナ訪問を行った。
ウクライナに1000億ドル以上
キエフ・インディペンデントニュースサイトは11月16日、ウクライナ財務省からの情報を引用し、ロシアが2022年2月にウクライナに軍を派遣して以来、同国の予算は1000億ドル以上の支援を受けていると報じた。
ウクライナ東部国境沿いの軍事活動を支援する軍事援助に加え、西側諸国や組織は、苦境に立たされている同国への財政的圧力が高まる中、ウクライナの国家予算の資金調達を支援してきた。
ウクライナの対外資金は主に、国際通貨基金(IMF)、欧州連合(EU)、世界銀行などのさまざまな協力プログラムや、各国からの直接融資から得られている。
予算支援ではEUが総額405億ドルでトップ、次いで米国が282億ドル、IMFが114億ドル、日本が63億ドル、カナダが54億ドルとなっている。これらの金額を合わせると、ウクライナに対する対外財政援助の90%以上を占める。
「軍事作戦は国内の資金で賄われているが、ウクライナは社会的、人道的ニーズについては国際パートナーの支援に依存している。いかなる国も単独でこれほどの規模の課題に立ち向かうことはできない」とウクライナ財務省は述べた。
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