ドイツのフランク=ヴァルター・シュタインマイヤー大統領は7月9日、ドイツは米国がウクライナにクラスター爆弾を送ることを阻止はしないが、この物議を醸す兵器の使用には断固反対すると述べた。
物議を醸している致死兵器であるクラスター爆弾は、現在120カ国以上で使用と備蓄が禁止されている。 (出典:ミリタルニ) |
シュタインマイヤー大統領は7月9日のメディアのインタビューで、「クラスター爆弾の使用に反対するドイツの立場は正しい」とコメントした。しかし、現状では、米国のこれを止めることはできない」
シュタインマイヤー氏によれば、ウクライナが自国を防衛する手段を失えば、あるいは常にウクライナを支援してきた国々が「背を向ける」なら、ウクライナはロシアとの紛争に敗北するだろう。
一方、北大西洋条約機構(NATO)の元欧州連合軍司令官、ジェームズ・スタビリディス元海軍大将は、ウクライナにクラスター爆弾を送るというジョー・バイデン大統領の決定は「賢明な動き」だと述べた。
したがって、スタビリディス氏は米国政府に対し、この傾向を継続し、キエフにF-16戦闘機を提供するよう要請した。
ウクライナ大統領顧問のミハイロ・ポドリャク氏は、クラスター爆弾は同国の反撃作戦の加速に「大きく貢献する」だろうと述べた。
7月7日、ホワイトハウスはウクライナに対する8億ドル相当の新たな援助パッケージを発表し、これにより紛争勃発以来ワシントンがキエフに提供した軍事援助の総額は400億ドル以上となった。
注目すべきことに、この援助パッケージにはクラスター爆弾が含まれており、この国に提供される武器の種類において新たな限界を示している。
バイデン大統領によれば、ウクライナの弾薬が「枯渇」したため、米国は同盟国と協議した上でこの「難しい」決断を下したという。
ジェイク・サリバン米国家安全保障担当大統領補佐官は、たとえ国連が反対してもワシントンはこれを進めるだろうと述べた。
サリバン氏はまた、ロシアが今回の紛争の初めからクラスター爆弾を使用していると断言し、ウクライナは米国に対し、そのような兵器は民間人へのリスクを最小限に抑える方法で使用されると書面で保証していると強調した。
ワシントンの発表は非政府組織から強い批判を招いており、この物議を醸す兵器の広範な拡散と多数の民間人犠牲者を出す危険性により、一部の欧州諸国は困難な立場に立たされている。
国内でも、米国の民主党議員や人権団体が抗議書簡に署名し、これは倫理原則に反するものであり、「東南アジアの人々が歴史の中で受けてきた苦痛」に関係しており、「米国はその過ちを繰り返すべきではない」と主張している。
クラスター爆弾は、広範囲に多数の子弾を散布するように設計されており、不発弾が民間人の死傷者を出す危険性があるため、多くの国で禁止されている。
2008年、123カ国がこれらの兵器の製造、備蓄、取引、使用を禁止する国際条約である2008年オスロ条約に署名した。しかし、米国、ロシア、ウクライナは署名しなかった。
7月9日、英国、カナダ、ニュージーランド、スペインはいずれもウクライナへのクラスター爆弾の供給と使用に強く反対した。同日、イタリアのジョルジャ・メローニ首相は「NATOの共通の価値観に沿って、イタリアはこの条約の原則が世界的に適用されることを期待する」と述べた。
一方、ロシア国防省報道官は、米国のこの決定は「膠着状態を示す行為」であり、「ウクライナの反撃作戦の失敗」の証拠であると述べた。
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