ワシントン・ポスト紙が5月18日に報じたところによると、ロトフィ・ハッサン・ミスト氏の家族は、同氏はテロとは一切関係がなく、10人の子供の父親で、米国のミサイルにより死亡した時は羊の世話をしていたと主張したため、米軍当局はこのような措置を取ったという。
ワシントン・ポスト紙がミスト氏の兄弟、息子、その他知り合い6人に行ったインタビューによると、ミスト氏（56歳）は、家族によって5月3日のヘルファイアミサイル攻撃の犠牲者と確認されており、シリア北西部のコルカニャ地区でレンガ職人として働き、静かに暮らしていたという。彼らはミスト氏を「生涯貧しかった」親切で勤勉な男性だと表現した。
ペンタゴンに疑惑？
この攻撃は米中央軍（Centcom）によって監督された。攻撃から数時間後、中央軍は、証拠や容疑者の名前を明らかにせずに、プレデター無人機攻撃が「アルカイダの幹部」を標的としたものだと主張した。
5月3日に米軍の攻撃でロトフィ・ハッサン・ミストが死亡した直後を撮影したシリア民間防衛隊のビデオの画像。
スクリーンショット ワシントンポスト
しかし、米国の国防当局者２人はワシントンポスト紙に対し、国防総省内で誰が死亡したかについて疑問が生じていると語った。
ある当局者は「アルカイダ幹部を殺害したという確信はもう持てない」と語った。別の当局者は「攻撃で当初の標的が死亡したわけではないとみているが、その人物はアルカイダ関係者だったとみている」と述べた。事件の捜査が継続中であるため、両当局者は匿名を条件に語った。
中央軍のマイケル・ローホーン報道官は声明で、当局は民間人の犠牲者の報告を認識しており、引き続き結果を評価し続けていると述べた。 「中央軍はこうした申し立てを真剣に受け止めており、この行動が意図せず民間人に危害を及ぼしたかどうか調査している」とローホーン氏は5月18日に述べた。
昨年、軍が過去に誤って無実の人々を殺害した空爆を隠蔽したとの非難に直面し、バイデン政権は、意図しない殺害が発生した場合の透明性を高めると約束しながら、そのようなリスクを軽減するとした措置を取ることを誓った。
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ミストのテロへの関与を示す文書は発見されていない
シリアでの最近の無人機攻撃は、ミスト氏の自宅と養鶏場の近くで発生した。ワシントンポスト紙は、関連する座標を米国の国防当局者の一人と共有した。同当局者は、この場所はアルカイダの「既知の関心地域」に近いと述べたが、米軍の標的となっている建物がどれなのかについては明言を避けた。ミスト氏の隣人はワシントンポスト紙に対し、テロリストらはミスト氏の自宅の近くには住んでおらず、活動もしていなかったことを確認した。
ワシントン・ポスト紙はまた、ミスト氏とその居住地に関する詳細情報を4人のテロ専門家に提供し、空爆後のジハード主義者間のオンライン上の議論を調査して、コルカヤ攻撃について何か話されていたかどうかを調べるよう依頼した。
5月3日にシリアで米軍の無人機攻撃により死亡したロトフィ・ハッサン・ミスト氏の画像。
スクリーンショット ワシントンポスト
ミスト氏がテロリスト集団とつながりがあることを示す文書は発見されなかった。さらに、ワシントンポスト紙によると、この地域は数年前にアルカイダから離脱し、現在ではアルカイダを敵視しているライバルグループによって支配されており、アルカイダ、特に幹部がこの地域で活動することは極めて異例だと述べた。
ワシントンポスト紙も ミスト氏の死亡前と死亡後の顔写真を入手し、その写真を中央軍に提供した。現場の警察官らは、ミスト氏が襲撃で死亡した人物であると信じているかどうかについては明らかにしなかった。一方、この画像を検査した顔認識の専門家２人は、同一人物が写っていると確信していると述べた。
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