大都市、特にホーチミン市には、メニューには載っておらず、注文する必要もないのに、どこにでもある「名物」があります。それは無料のアイスティーです。
ホーチミン市内の多くの通りでは、無料のアイスティーが提供されています。
私はそれを「優しさの特質」と呼んでいます。看板もマーケティングも広告も必要ありません。それは、小さなプラスチックの椅子の上に置かれた水のボトルと、それに付随する使い捨てのカップ数個、時には落ちないように紐で椅子に結びつけられた使い古した再利用可能なカップというだけのものだ。床屋や安いレストランの前に静かに立っていたり、路地の端の木に寄りかかったり…
気温が40度にもなる暑い真昼、埃っぽい道路の真ん中で飲むその冷たい飲み物は、暑苦しい通りの真ん中で一口さっぱりしたい労働者や旅行者など、疲れた足を誘うものです。
誰も誰にも言わず、ルールもなかったが、無料のアイスティーはベトナム文化の一部として静かに存在していた。喉の渇きを癒すだけでなく、心を落ち着かせるためでもあり、理由もなく与えることも文化的慣習であるということがわかる。
日本のお茶のような高貴な味ではなく、西洋の茶道のような華やかさもなく、ベトナムのアイスティーには愛と意味、シンプルさ、そして人の心のような温かさだけがあります。
玄関のお茶カップから古い家の蓮の急須、来客用のティーテーブルから祖先の祭壇のティーカップまで、ベトナムのお茶は常に歓迎、つながり、愛情を体現しています。淹れ方や飲み方は変わっても、お茶の味のように優しく永続的な精神は変わりません。舌先には苦味があり、後味には甘く、ベトナム人の心にはいつまでも温かく残ります。
( Nguoi Lao Dong新聞が2025年に主催した「ベトナムのコーヒーと紅茶を称える」プログラムにおける「ベトナムのコーヒーと紅茶の印象」コンテストへの第3回応募)。
「ベトナムのコーヒーと紅茶の印象」コンテストのルール。グラフィック:CHI PHAN
出典: https://nld.com.vn/tra-da-mien-phi-dac-san-nghia-tinh-giua-pho-196250420103153576.htm
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