ニューヨーク州控訴裁判所のアニル・シン首席判事は、民事詐欺訴訟の判決を延期するためにドナルド・トランプ前大統領が預けた1億ドルの預託金の受け取りを拒否し、判事が命じた罰金4億5400万ドルの全額の支払いをトランプ前大統領に強いた。
弁護側は、トランプ氏が不動産の一部を売却しなければ、これ以上の金額を得ることはできなかっただろうと述べた。緊急の場合は現金を調達するために資産を売却することはできるが、控訴が認められた後に資産を回収する方法はなく、また、被った経済的損失を回復する方法もない。
トランプ前大統領の純資産は数十億ドルと推定されるが、そのほとんどは現金ではなく不動産である。弁護士らは、1億ドルの保釈金に加え、トランプ氏の膨大な不動産保有量、そして裁判所が任命した監視人によるトランプ・オーガニゼーションの継続的な監視があれば、判決の執行を確実にするには十分すぎると主張した。
しかし、シン最高裁判所長官は、トランプ氏とその息子らが今後数年間家業を営むことを禁じる判決の執行を一時的に停止することに同意しただけだった。したがって、現時点ではトランプ前大統領とその2人の長男がトランプ・オーガニゼーションの運営を継続できることになる。この命令は、事件がニューヨーク控訴裁判所の全員合議体に持ち込まれるまでの暫定的なものである。
同日、米最高裁判所は、ドナルド・トランプ前大統領が選挙介入の訴追で免責を受ける資格があるかどうかを検討することに同意した。 2月6日、コロンビアの米国控訴裁判所の判事3人は、トランプ前大統領は訴追を免れないとの判決を下したが、その判決を阻止するために最高裁に緊急請願を提出する時間を与えた。
選挙をめぐっては、米国イリノイ州クック郡のトレイシー・ポーター判事が2月28日、2021年1月6日の連邦議会議事堂での暴動におけるトランプ前大統領の役割を理由に、同州の共和党予備選挙の候補者リストからトランプ前大統領を失格とする判決を下した。
チ・ハン
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