ファム・ミン・チン首相は5月21日、日本の広島で開催されたG7拡大首脳会議及び作業部会に出席し、岸田文雄首相と会談した。これは岸田首相の故郷である広島で開催される初のベトナムと日本のハイレベル会談であり、ファム・ミン・チン首相と岸田首相の1年ぶりの5回目の会談となる。
ファム・ミン・チン首相と岸田文雄首相
両首脳は、友情、心のこもった信頼の雰囲気の中で、最近の二国間関係の強固で包括的かつ実質的な発展に満足の意を表明した。両首脳は、アジアの平和と繁栄に向けた日越の広範な戦略的パートナーシップを新たな高みへと推進するための主要な方向性と具体的な措置について合意した。
両首相は、日本とベトナムの外交関係樹立50周年となる2023年に、ハイレベルの訪問や交流を促進し、政治的信頼を強化することで合意した。
双方は、戦争の結果の克服、人材育成、防衛技術移転、サイバーセキュリティの分野で防衛・安全保障協力を推進することで合意した。ベトナムの工業化、近代化、自立した経済の構築に向けた日本の支援内容に関する交流を促進する。投資と貿易協力の促進を通じて両国間の経済関係を強化することを確認した。
ファム・ミン・チン首相は、ベトナム党と国家の指導者からのベトナム訪問の招待を天皇皇后両陛下に丁重に伝えた。
両首脳は、新型コロナウイルス感染症からの経済復興に向けた500億円規模の新世代ODAプログラムの出資約束手続きが完了したことを評価し、南北高速鉄道、都市鉄道建設、気候変動対応、デジタルトランスフォーメーション、グリーントランスフォーメーション、ヘルスケアなど、ベトナムの大規模戦略的インフラ整備プロジェクトに対して、日本が高インセンティブ、簡素で柔軟な手続きを備えた新世代ODAを提供する可能性について、担当省庁に協議を委ねることに合意した。
両首相は、チョーライ第2病院やベンタイン・スオイティエン都市鉄道1号線の建設プロジェクトなど、数多くのODA協力プロジェクトの進展を促進するために両国の各省庁や各部門を指導することを確認した。併せて、双方は、ASEAN、国連、APECなどの多国間・地域フォーラムにおいて、共通の関心事項について立場を調整していくことを確認した。
ギソン製油所プロジェクトに関して、ファム・ミン・チン首相は、両国の企業が利益の調和、リスクの共有、プロジェクトの困難の除去の精神で積極的に協議することを提案した。
ファム・ミン・チン首相は、双方が協力して、ハイテク産業、エネルギー転換、ベトナムの生産能力と競争力の向上の分野での日本からの新たな投資を促進し、日本企業のサプライチェーンと世界のサプライチェーンにさらに深く広く参加することを提案した。日本がベトナムのクリーンエネルギーおよび再生可能エネルギー分野への戦略的投資家を奨励することを提案する。流通・加工分野における技術移転と能力構築を通じてベトナムの農産物バリューチェーンの拡大を支援する。ベトナムに輸入される日本産ブドウ及び日本に輸入されるベトナム産青皮ザボンの早期公表に向けた手続きを推進し、調整する。
会談に先立ち、ファム・ミン・チン首相と岸田文雄首相は、新型コロナウイルス後の経済復興・発展のための新世代ODA財政支援プログラム、ビンズオン省公共交通インフラ整備計画、ラムドン省農業開発インフラ整備計画を含む総額610億円（約5億ドル）のODA協力プロジェクト3件の署名文書の交換に立ち会った。
首相はまた、日本政府が二国間の観光協力を促進するためにベトナム国民に対するビザ免除に向けて有利な条件を整え、ビザ発給手続きを簡素化することを提案した。スタディツーリズムの早期実施約50万人のベトナム人が日本で快適に生活し、学び、働くことができるよう配慮し、好ましい環境を作り、両国の協力関係の架け橋となることを目指します。
岸田総理は、ファム・ミン・チン首相に対し、2023年12月に予定されている日ASEAN首脳会議に出席し、再度日本を訪問するよう招待した。
東海問題について、両首脳は、海上および航空の安全と安全保障を確保すること、そして国際法、特に1982年の国連海洋法条約（UNCLOS）に基づき、すべての紛争や意見の相違を平和的手段で解決することの重要性を強調した。東海行動宣言（DOC）を全面的に実施し、実効的かつ実質的な東海行動規範（COC）を速やかに完成させる。
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