世界トップの影響力を持つ女性博士が「100万ドル」の科学基金を運営

(ダン・トリ) - VinFuture Foundation および Fund for a Green Future のディレクターである Le Thai Ha 博士が、自身の科学研究の旅と「100 万ドル」科学賞の運営の仕事との関係について語ります。

VinFuture Fundは、2人の創設者から2兆ベトナムドン（1億米ドル相当）の初期運営予算を受けて2020年に設立されました。当初は、ベトナムのような発展途上国が世界的な科学技術賞を授与したことで、多くの疑問や驚き、さらには疑念さえも生じました。しかし、3シーズンを経て、基金は徐々に国内外の権威ある科学界からより多くの認知と支援を受けるようになりました。 Dan Tri Newspaper は、VinFuture Foundation および Fund for a Green Future のディレクターである Le Thai Ha 博士と、彼の科学研究の旅と「100 万ドル」の賞金を運営する仕事との関係について話し合いました。

親愛なるレ・タイ・ハ博士、科学者について考えるとき、人々はしばしば非常に真面目で模範的な性格を持つ学問的知識人を思い浮かべます。それで、このイメージはレ・タイ・ハ博士に関して正しいのでしょうか? - 多くの人にとって、科学者のイメージは、真面目で学問的な性格と結び付けられることが多いのは事実です。これは仕事でも同じです。私は仕事全般、特に研究や科学活動において常に集中し、真剣に取り組んでいます。私は自分の仕事が大好きで、仕事の中で自然に情熱とインスピレーションを感じます。また、私は才能と熱意にあふれた人々と仕事や交流ができるという幸運に恵まれており、常により良い結果を出すために努力する必要があると感じています。しかし、仕事以外では、家族や友人、親しい同僚と一緒にいるときは、快適で気楽な気持ちで、愛する人たちとリラックスした時間を過ごすようにしています。健康と生産性を維持するためには、ワークライフバランスが重要だと考えています。タイ・ハさんの科学研究への旅はどのように始まったのでしょうか?これは家族の伝統ですか、それとも個人的な決断ですか? - 私の家族は教育をとても重視しています。子どものころから、家族の子どもたちは祖父母や両親から、勉強し、自分自身を鍛え、自立心を養うように常に励ましと動機づけを受けてきました。これは、私たちのような軍人の家族がよく推奨する価値観です。私だけでなく、妹も学術研究の道を追求しており、今年、26歳にしてオーストラリアの主要大学で博士号を取得する予定です。私の両親は金融業界で働いており、子供の頃、夕食を食べたり、一緒にニュースを見たりしながら社会経済問題について頻繁に話し合ったことが、これらのトピックについてさらに深く掘り下げることへの興味を私に与えたのかもしれません。私は子供の頃から数学を専攻していたので、幸運なことに私の能力は経済研究の分野を追求するのにも適しています。

私の家族は、教師という職業は崇高な仕事であり、女性が働き、家族を養う時間を持ちながら社会に貢献できる適切な仕事だと考えていたため、私が教師になることを望んでいました。学部在学中、私はシンガポールの南洋理工大学（NTU）のURECAプログラム（コースの上位5％の学生向け）で研究業務を経験する機会がありました。教授の指導と家族の励ましを受けて、私は卒業後すぐにNTUの博士課程の全額奨学金に応募することを決意しました。こうして私は科学研究を追求し、博士号を取得して卒業後は大学講師（フルブライト大学とRMITベトナム大学）となり、2年以上前にVinFuture Foundationに入社するまで、この仕事を10年近く続けました。レー・タイ・ハ博士は、非常に若い年齢で多くの「偉大な」業績を残しました。これらの成果は TS にとって容易に達成されたものなのでしょうか、それともバンド Buc Tuong の歌にあるように「すべての道はバラで舗装されている / 足元には棘があり痛みも伴う」のでしょうか。 - 私が博士課程に応募した当時は、学士号を取得した直後に博士課程への進学を検討されることは、現在ほど一般的ではありませんでした。ですから、研究の夢を追求するために全額奨学金を受け取ることができて幸運だと感じています。しかし、この道はいつもバラで満ちているわけではありません。大学側は修士課程を経ずに博士課程に直接進学することを許可してくれたので、博士課程の最初の 2 週間が最も大変でした。学部課程（上級コースを含む）と博士課程の間の知識格差は、特に計量経済学や計量経済学などの科目においてかなり大きいです。しかし、決意、努力、家族のサポート、そして幸運のおかげで、私は優秀な成績でコースワークプログラムを修了することができました。同時に、科学的な研究論文も書けるようになりたいと思っています。そのため、授業での勉強に全力を注ぐのではなく、講義を通じて知識を学び、また、当時の博士課程1年生には期待されていなかったものの、独学で科学論文を書く方法も学びました。

最終的に、優れた授業成績（クラスで最高）や、権威ある学術誌への掲載が承認された 2 つの科学論文など、多くの好ましい要因が重なり、指導教員と教育委員会から卒業を許可されました。しかし、当時の私は、科学研究にこれほど情熱を傾け、その道に進むことになるとは想像もしていませんでした。科学研究には、忍耐力、勤勉さ、そして定期的に課題や失敗に立ち向かう意欲が必要です。しかし、それぞれの経験を通して、これが私が貫きたい分野だということがだんだんわかってきました。青春時代すべてを科学研究のキャリアの追求に費やしてきた今、振り返ってみて、最大の困難や課題は何だったと思いますか? - 仕事全般、特に科学研究に情熱を傾ける者として、私はあなたが言うように「青春を科学に捧げる」ことを犠牲とは考えていません。研究活動における最大の課題は、私たち研究者がよく冗談で言うように、「生涯学習」です。研究の質を維持するためには、常に深く学び、スキルと専門知識を向上させなければならないからです。同時に、これは、研究成果を権威ある国際学術誌や研究資金に提出して審査や選定を受ける際に常に失敗や拒絶に直面する仕事でもあります。そのため、これらの課題を克服するためには、情熱、粘り強さ、忍耐力を維持する必要があります。さらに、仕事と私生活の時間のバランスをとるために、時間を適切に管理する必要もあります。 Le Thai Ha博士の研究の道に最も影響を与えた科学者は誰ですか? - 多くの才能ある科学者と交流し、一緒に仕事をする機会を得て、多くのことを学びました。しかし、私には従うべき総合的な科学者のロールモデルがいませんでした。人は皆、個性があり、特別な性格で、独自の価値観を持っており、私にとって学ぶべき特定の点を持っています。たとえば、私が学んだNTUの教授だった元教師は、問題に創造的に取り組むよう私に刺激を与えてくれました。もう一人の著名な計量経済学の教授は、私を含む若い研究者に有益な知識を無料で広めるためにウェブサイトとブログの構築に時間を費やそうとする熱意に感心しました。その後、世界の名門校や研究所で学び、研究することができた前世代の多くの優れた事例が、困難で厳しい状況にもかかわらず、母国に貢献し、キャリアを築くためにベトナムに戻ることを選択しました。これはまた、コミュニティと国の発展に貢献するという次世代の役割における私の責任に対する前向きなインスピレーションと認識を与えてくれました。

「公務も家事もできる」という言葉は、成功した女性について語るときによく使われます。 Le Thai Ha博士はどうですか? - 1 日には 24 時間しかないことを十分に認識しており、自分が情熱を注いでいる管理、研究、学術的な仕事と、家族や自分自身に対する責任の間で時間を合理的に分割する必要があると考えています。仕事に高い集中力が必要な特別な時間を除き、勤務時間中は仕事を優先します。その後は、ほとんどの時間を家族と過ごし、子どもたちと遊んだり、両親を訪ねたり、夫と旅行したり、単に一緒に家の中でちょっとしたことをしたりしています。さらに、私は自分のための時間も取り、心身の健康に気を配っています。健康でいるときだけ、エネルギーを回復し、仕事に対して鋭い思考力を発揮できるのだと思います。私は有名な政治家であり科学者でもあるベンジャミン・フランクリンの次の言葉が大好きです。「すべての物にはそれぞれの場所があり、仕事のそれぞれの部分にはそれぞれの時間がある。」 (翻訳: すべてを所定の場所に置き、作業の各部分を別々の時間枠にスケジュールします。)時間は限られており、人生にはやるべきことがたくさんありますが、すべてを整理し、仕事を合理的に分担する方法を知っていれば、バランスの取れた生活を維持しながら多くのことを行うことができると信じています。

多くの読者は、科学者がミルクティーやショッピングなど、同僚と同じ趣味を持っているかどうかに興味があるでしょう。タイ・ハは仕事と生活のバランスをどのようにとっているのでしょうか? - 私たちは個人的な生活上の問題よりも専門的な事柄について話し合うことが多いので、他の科学者についてコメントするのは難しいです。私が勤務する会議、セミナー、組織の会合では、科学者がコーヒーや紅茶をよく飲んでいることに気づきます。私自身はお酒もコーヒーも飲めないので、フルーツジュースやミルクティーが好物です。ミルクティーを飲むととても美味しくて、すぐにリラックスした気分になります。私の現在の職場環境には、この飲み物に情熱を傾ける若い同僚がたくさんいるので、ミルクティーを飲むことは、友人たちと「一体化」するのにも役立ち、集中して何時間も働いた後、チーム全体に幸せな雰囲気をもたらします。しかし、この飲み物は健康にあまり良くないこともわかっているので、適度にしか飲みません。また、ショッピングも好きです。しかし、おそらく私は「経済学者」なので、浪費することはめったになく、長期的な投資計画のために資金を優先することが多いのです。だからこそ、私の家族や夫は、私が買い物をしすぎていることについて文句を言ったことはありません。タイ・ハさんは自身の長所と短所をどのように評価していますか? - 私の強みは、祖父母と両親が幼い頃から私に自立心、規律、忍耐力などの資質を教えてくれたことだと思っています。これらは、科学研究だけでなく私の現在の仕事においても欠かせない要件です。弱点について言えば、研究者には仕事に対する完璧主義という共通の弱点が 1 つあると思います。仕事のことは仕事中だけでなく、食事中や睡眠中にも考えてしまいます。だから、一生懸命働くだけでなく、生活のバランスを取るように努めなければなりません。

Thai Ha はどのようにして VinFuture ファンドに参加したのですか? - 2021年以前にVingroupで働く機会がありましたが、当時は学問の道を離れたくなかったし、ホーチミン市での生活はとても良かったのです。直近では、VinFuture Fund が設立されて 1 年が経ちましたが、その間に世界は 2 年間のパンデミックを経験し、私の考え方も大きく変わりました。自分の快適な領域から抜け出して、新たな挑戦に取り組む準備ができていると感じています。ファンドの創設者と会い、その情熱的な話を聞いた後、私は、これが自分のキャリアにおける大きな「変化」を迎える準備が整った時だと気づきました。私がキャリアパスを変える決断をしたのは、創始者のビジョンと、人類に大きな影響を与える科学的発明を称え、推進する組織である財団の崇高な使命に対する感謝の気持ちからでした。将来、基金とVinFuture賞の科学技術の連携と移転活動が期待通りの広がりと影響力を達成すれば、世界の科学技術地図におけるベトナムの地位向上に貢献するだろうと私は信じています。 VinFuture にこだわることを決意することは、私にとって自分自身に挑戦する方法でもあります。私が最初に参加した時、基金は設立されてから1年が経っていましたが、最初に土台を築いたのは私ではありませんでした。しかし、この基金はまだ新しいため、私と私の同僚は、ほぼ 2 年間、活動を標準化し、さらに構築するために日々努力を続けてきました。次のレンガを積むプロセスは困難ですが、私にとっては成長し、多くの新しいことを学ぶ機会でもあるため、非常に刺激的です。

科学研究を尊重し奨励する財団の幹部の仕事は、研究を直接行う人の仕事とどのような類似点があり、どのような違いがあるのでしょうか。 - VinFuture Foundation の CEO としての私の役割では、多くの研究所や学校を訪問し、さまざまな分野のリーダーや科学者と話し合い、これらの組織における科学研究活動の現状を明確に理解する機会があります。彼らの努力には感心する点が数多くあります。しかし、研究者が科学的目標を達成し、期待される結果を達成するためには、克服しなければならない困難や障壁がまだ数多くあります。私たちは、ベトナムを含む発展途上国の研究者の願望と困難を理解し、研究を支援し、革新と創造性を奨励する環境を作り出すことで、私たちの能力の範囲内で科学コミュニティのつながりをサポートし、発展を促進したいと考えています。さらに、財団の重要な年間活動の一つに、VinFuture Prize があります。 VinFuture 賞の各カテゴリーのノミネートの審査は、科学技術分野の世界をリードする教授や専門家で構成される 2 つの賞審議会が独立して行います。私は賞の「審査」プロセスに直接参加したわけではありませんが、国際基準に準拠し、チームメイトと共に専門的な方法で基金の活動を確立し、組織し、国内外の科学コミュニティの栄誉と知識の普及、そして連携に貢献できたことを大変嬉しく思います。

VinFuture Fund は 3 年目を迎え、社会はファンドの使命とビジョンをより深く理解するようになりました。しかし、ベトナム人としてなぜ国内の研究への投資に重点を置かず、世界的な賞を目指すのかという疑問がまだ残っています。タイ・ハはこの質問にどう答えるでしょうか? - 各組織には独自の使命があります。 VinFuture Foundation の 2 人の創設者は、国内の科学研究の支援と投資に重点を置くために VinIF を設立しました。 VinFuture Foundation にとって、世界的な賞を目指すことは、国家規模での科学の進歩を促進するだけでなく、世界の科学コミュニティに貢献することでもあります。 VinFuture Foundation はベトナム発祥の組織ですが、地理的境界に制限されず、世界的な科学の進歩を促進するというより高い目標を目指しています。

世界的な賞に重点を置くことで、VinFuture Foundation は世界中の一流の科学者、研究者、専門家の注目と参加を集めることができ、ベトナムの科学者に機会とリソースを提供するだけでなく、国際交流と協力の環境を作り出し、世界的な科学的知識の発展と共有を促進します。 VinFuture Foundation は、特定の年間プログラムや連携活動を通じて、ベトナムの科学者の研究やプロジェクトを常に支援し、奨励しています。これらすべての活動は、ベトナムだけでなく世界中で科学の発展と進歩を促進するという共通の目標を目指しています。世界のトップクラスの科学者は、VinFuture 基金の情報や活動をどのように受け取っているのでしょうか? - 基金設立当初は、発展途上国から「100万ドル」規模の世界的な科学技術賞が授与されることに、多くの疑問、驚き、そして疑念さえも生じていました。しかし、3シーズンを経て、選考・推薦プロセスにおける国際基準の厳格な遵守と、人類に貢献する科学技術を称え、普及・促進する活動の証拠により、国内外の権威ある科学界からますます大きな評価と支援を受けるようになりました。第1回VinFuture本賞の受賞者2名（カタリン・カリコ博士とドリュー・ワイスマン教授）が、2023年に引き続きノーベル医学賞を受賞することは、大きな誇りです。また最近では、VinFuture特別賞シーズン3を受賞した3人の科学者（ダニエル・ジョシュア・ドラッカー教授（カナダ）、ジョエル・フランシス・ハベナー教授、スベトラーナ・モイソフ准教授（米国））が、タイム誌（米国）によって2024年に世界で最も影響力のある100人のリストに選ばれました。これらの出来事は、何百万人もの人々に影響を与える画期的な業績を挙げた科学者を称える際に、VinFutureが正しい目標を選んだことを証明しています。なぜなら、VinFutureは、依然として困難なCovid-19パンデミックの状況下、そして世界がこの研究の画期的な貢献をまだ十分に評価していないときに、カリコ教授とワイスマン博士とともに2021年以来の彼らの仕事を認めたからです。

あるいは、タイム誌の准教授賞受賞者であるスヴェトラーナ准教授と一緒に。スヴェトラーナ氏は、2023年のVinFuture賞授賞式で表彰されるまで、この薬の開発における先駆的な役割が主要な国際バイオメディカル賞でほとんど認められていなかったため、VinFuture賞のビジョンと総合的な評価基準をさらに強化しました。もう1つの特別な点は、最近のVinFuture 2023シーズンで、ベトナムから初めて科学者が表彰されたことです。 Vo Tong Xuan教授です。スアン教授は、インド系アメリカ人科学者のグルデフ・シン・クシュ教授とともに、昨年12月にハノイで開催された授賞式で「病害耐性イネ品種の発明と普及」という研究でVinFuture賞を受賞した初のベトナム人科学者となった。これは発展途上国、特にベトナムの科学者たちに良い刺激を与えました。一般的に、権威ある世界的賞に認定された著名な科学者がますます多く、VinFuture Foundation と Prize に多大な支援を表明し、同賞に同行する栄誉を分かち合っています。そして彼らの多くは、ベトナムの科学者とつながることを目的として、積極的に基金を探しています。逆もまた同様です。私たちは、これらの進展により、ベトナムの科学と世界をつなぐ架け橋としての VinFuture の役割がさらに強化され、将来的にさらに良い結果をもたらすことを強く願っています。 Thai Ha は今後 VinFuture ファンドの方向性を「明らかに」できるでしょうか? - 調整と改善は常に行われますが、VinFuture のコア哲学はそのまま維持され、推進されます。 VinFuture は、人々に役立つ実用的な応用の研究と発明を推進します。科学技術は力強く発展し、地球規模で広がり、人類を結びつけ、世界の持続可能な発展に貢献しています。 2024年、VinFuture Foundationはベトナムの主要大学や研究機関と協力してInnovaConnectイベントを開催する予定です。これは、世界中の著名な科学者とベトナムの主要大学や研究所との間で行われる一連の学術的および専門的な交流活動を含む、VinFuture Foundationの最新の取り組みです。第1回InnovaConnectイベントは4月15日から17日までハノイ工科大学で半導体分野に焦点を当てて開催され、国内外の科学者の参加と好意的な反応を得ました。

今後も、VinFutureは連携活動の推進と拡大を続け、ベトナムの学校や研究所と世界中の著名な科学者との連携を支援し、協力を促進し、地域社会にとって有用な科学技術製品を生み出していきます。私たちは関係者間の架け橋を築く努力をし、それによってベトナムだけでなく世界の科学技術の持続的な発展に貢献することをお約束します。

Le Thai Ha先生、本当にありがとうございました！

内容: ヴォー・タン

写真: タン・ドン

ビデオ: ファム・ティエン、ミン・クアン

デザイン: トゥアン・フイ

ダントリ

出典: https://dantri.com.vn/xa-hoi/nu-tien-si-trong-top-anh-huong-the-gioi-dieu-hanh-quy-khoa-hoc-trieu-do-20240511231053662.htm