ウクライナ兵士が発砲(イラスト写真:アナドル通信)。
ロイター通信は11月15日、ロシアが任命したウクライナ南部ヘルソン州知事のウラジミール・サルド氏が、ウクライナ軍がドニエプル川を渡ろうとしていると語ったと報じた。
しかし、ロシア軍が急速に前進し、ウクライナ軍に「地獄の火」を降らせたとも述べた。
「我々は援軍を派遣した。敵はクリンキに閉じ込められている。爆弾、ミサイル、重砲システム、砲弾、ドローンで敵のために灼熱の地獄が用意されている」とサルド氏は語った。
「過去2、3日で、ウクライナ軍は川を渡ってドニエプル川左岸で持ちこたえようとしたが、少なくとも1.5~2個中隊を失った。川左岸にいるウクライナ軍兵士の生存時間は2日強だ」とサルド氏は付け加えた。
この当局者によれば、ロシアは毎日、ヘルソン地域でウクライナ兵2~3人を捕らえているという。
ロシアが昨年末から西岸から軍を撤退させ、東岸に強固な防衛線を築いたことを受けて、ドニエプル川はウクライナとロシアの前線の境界とみなされている。
それ以来、ウクライナは繰り返し河川を渡り、ドニエプル川東岸のロシア基地を襲撃してきた。東海岸への上陸成功は、ロシアとの1,000キロ以上に及ぶ前線においてウクライナにとって大きな前進を意味する。
ウクライナ軍は昨日、自軍がドニエプル川東岸に到達したと発表した。これは重要な節目であり、2014年にロシアが併合したクリミア半島への攻撃の機会が開かれたとみている。
これに先立ち、ロシア軍司令官は、ウクライナがドニエプル川左岸(東岸)に上陸橋頭保を築いたと発言していた。
ウクライナ歩兵は川を渡るのに時速100キロで航行可能なスピードボートを使用したようだ。一方、ロシアは濃霧のためウクライナ軍の動きを探知・追跡するのが困難だった。
キエフの軍事アナリスト、オレクサンドル・ムシエンコ氏は、同国軍がドニエプル川左岸に足場を築けば、迅速な攻勢を開始できると語った。その時、ヘルソンはロシアとウクライナ間の新たな紛争の火種となる可能性が高い。
専門家らは、現在決定的な要因となっているのは、どちらの側がヘルソンで迅速かつ効果的に軍を増強できるかだと述べている。ロシアは現在、狭いルートを使って部隊を増強しており、待ち伏せ攻撃に対して脆弱になっている。一方、ウクライナは、兵士や弾薬の輸送に小型船や上陸用船を使用する際にもリスクに直面している。
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