フィナンシャル・タイムズによると、この訴訟はニューヨーク州司法長官レティシア・ジェームズ氏が10月19日に米国の裁判所に起こしたもので、デジタル通貨企業デジタル・カレンシー・グループとその子会社ジェネシス、およびジェミニ取引所が23万人以上の投資家から11億ドル以上を詐取したと訴えている。
2022年にフロリダ(米国)で開催された会議でのジェミニのロゴ
ジェームズ氏は、被告らに対し、投資家に資金を返還し、不正行為で得た利益を放棄し、3社がニューヨークで金融投資活動を行うことを禁止するよう求めている。
ロイター通信によると、訴訟の中心となっているのは、ウィンクルボス兄弟の会社であるジェミニがジェネシスと協力しているジェミニ・アーン・プログラムである。このプログラムにより、顧客はビットコインなどのデジタル資産をジェネシスに貸し出すことができる。
ジェームス司法長官によると、内部分析でジェネシスが財務上のリスクを抱えていることが示されたにもかかわらず、ジェミニはこれを低リスクの投資プログラムと呼んでいたという。同氏によると、ジェミニはジェネシスの融資が無担保であり、一時はサム・バンクマン・フリード氏のアラメダ・デジタル通貨ヘッジファンドという1つの企業に集中しており、その後破綻したという。バンクマン・フリード氏はFTX取引所の創設者であり、現在は詐欺罪で投獄されている。ジェームズ氏によると、両社はジェミニ・アーン投資家にその情報を開示しなかったという。
ウィンクルボス兄弟
ジェネシスは1月に破産申請を行った。ジェミニは双子の兄弟、キャメロン・ウィンクルボス氏とタイラー・ウィンクルボス氏によって設立された会社である。この2人の投資家兄弟は、Metaの億万長者マーク・ザッカーバーグ氏を、Facebook構築のアイデアを盗んだとして訴えたことでよく知られている。
ニューヨーク州司法長官が3社に対して起こした最新の訴訟は、FTXが破産してほぼ1年が経過した現在も、デジタル通貨業界の課題が続いていることを示している。
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