7月6日に非営利の国際科学誌「The Cryosphere」に掲載された中国の科学チームによる研究によると、中国科学院チベット高原研究所の研究者らは、エベレストの積雪の平均深は約9.5メートルで、これまで知られていたよりもはるかに深いことを明らかにした。
この発見は、極度高度における気候変動についての理解を完全に変える可能性がある。
チベット高原研究所の科学者らは昨年の探検で得たデータの結果を発表した。 （写真：The Cryosphere）
これまでの推定では深さは0.92～3.5メートルとされていたが、これらの測定値には一貫性がなく、大きな確実性がないことも認められていた。
「我々の測定では、山頂の積雪の平均深さが約9.5メートルと驚くべきもので、これまでの推定よりはるかに深いことが分かった」と中国科学院のヤン・ウェイ教授は語った。
この結果は、昨年の4月と5月に行われた遠征中に実施されたテストに基づいている。彼らは地中レーダーを使って、標高7,000メートル以上のエベレスト北斜面沿いでデータを記録した。
報告書によれば、山頂に集中する26地点の測定地点では平均積雪深が約9.5メートルとされているが、この結果はプラスマイナス1.2メートルの範囲で変動する可能性があると指摘されている。
これらの結果は、雪と岩の表面の間に明確な違いがあることも示しており、研究チームは2つの物質の境界を特定することができました。
「このような均一性は、この限られた地域での繰り返しのレーダー測定の信頼性を証明するだけでなく、エベレスト山の斜面に沿った比較的平坦な地形についての洞察も提供する」と報告書は述べている。
ヤン教授は、これまでの測定は「積雪の密度、ポールの長さ、標高の問題」などの要因によって制限されていたと述べた。
研究者らは論文の中で、異なる期間における積雪の深さを比較することは、ヒマラヤの極度高度における人為的な気候変動の影響を理解する上で役立つ可能性があると述べている。
「エベレストの雪と氷河は気候変動の原動力であり、極地での気候変動がどのように起こっているのか、そしてその影響がどれだけ広範囲に及んでいるのかを理解するための潜在的な自然の背景を提供している」と報告書は述べている。
中国の専門家は、この高度での積雪の傾向の変化を知るためには、エベレスト山で雪のコアを掘削し、地中レーダー測定をさらに実施する必要があると述べている。
この実験の重要な発見の一つは、エベレスト山の正確な高さについて意見の相違があったことです。積雪量、重力、光の屈折などの要因の変化により、山頂の実際の高さは既知のものと異なる場合があります。
エベレストはヒマラヤ山脈の最高峰ですが、その最高高度は一定ではありません。
2020年、北京とカトマンズは共同で、最新の測定値が8,850メートルであると発表した。これはネパールの以前の測定値よりわずかに高く、当時の中国の推定値より約4メートル高かった。
フォン・タオ（出典：SCMP）
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